院長インタビュー
助けられなかった小さな命
―青島先生が獣医師になりたいと決意したきっかけは、中学生時代にあったそうですね。 「獣医になりたい」親に止められるくらいひたすら勉強 ―岡崎高校に入学後はあまりにも勉強しすぎて、なんと親御さんからストップがかかるくらいだったそうですね。 はい、とにかく獣医になりたくて猛勉強しましたね。唯一の楽しみは、獣医学部のパンフレットやニュースを見ることでした。 ―そんな猛勉強の成果があって、東京大学理科Ⅱ類に合格されました。 おかげさまで、現役合格できました。大学に入ってからも、もちろん勉強しました。東京大学の場合、2年生までは教養学部に所属します。そのあと「進振」と呼ばれる進路選択で学部を決めるシステムなんです。獣医学部は大変な人気で、しかも「進振」は成績に左右されますから本当に必死でしたよ。 |
できないことだらけの研修時代
―ついに獣医師としての第一歩が始まったのですね。意外なのですが、研修時代は先輩方に怒られることが多かったと聞いています。 そうなんです。実は研修医の自分は、基本的な採血や処置でさえも同級生より満足にできず、先輩や看護師から「そんなこともできないの」と毎日のように怒られる日々でした。 ―しかし皆さんただ感情で怒っていたわけではなかったと。 はい。こうして自分が診療現場に立ち続けられているのは、地道に一歩一歩努力を続けてきたこともありますが、周りの方達がこんな私に付き合って辛抱してくれていた、温かく成長を待ってくれていたからだと思っています。 |
退職後2週間で開業。休みなしで診察する日々
―東京大学動物医療センターで2年間、そして地元とJARMeC で2年間。合計4年の研修を経て、ついに201年4月ご自分の病院を豊田市上野町に開院したのですね。しかし開院直後はいろいろとご苦労も多かったと聞いています。 はい、退職してたった2週間で開院準備をしたのでとにかく忙しかったです。実は開院した当初は、患者さんが全く来ませんでした。お金もないのでスタッフもいません。ですからたとえ休診日でも診察しました。 依頼があれば、三重県伊勢市まで往診に出かけることもあったんですよ。休診日でも夜中でも、1人で急患の電話を取り続けて診察していたので、休みの日に仕事以外で豊田市外にでたのは、開院後数年経ってからです。 ―そんな多忙な日々が続いていたある日、ふと病院の待合室を見て驚かれたとか。 はい、待合室飼い主さんとペットたちでいっぱいだったんです。気づけばスタッフも増えていました。無我夢中でやっていたから、ありがたかったですね。 |
3院で地域に根差した基幹病院に
―今後は、D.P.C.をどのような病院にしていきたいとお考えですか?今現在の取り組みと、将来の展望や目標をお聞かせください。 現在、D.P.C.の3院とも年中無休で診察し、連携し合って地域のペット治療を行っています。岡崎大和院と日進オハナ院の2院は、プライマリケアとしての一次診療を担う病院です。小さな病気を診察したり、ペットの健康相談に乗ったりしています。 両院とも知識・経験豊かなスタッフが揃っていますが、特殊な機器や、診断治療が必要な難易度の高い症例は、本院である豊田中央医療センターに紹介させていただくこともあります。 さらに、トリミングサロンとペットホテルを併設していますので、普段の生活での体調管理にも貢献できる体制をより強化しています。 |
基幹病院としての動物病院
―特に豊田中央医療センターは、地域の基幹病院としての役目があると聞きました。具体的にどのようなことを行っていますか? 難しい症例に対し、専門的で高度な医療が提供できる体制や設備を整えています。エキゾチックアニマル診療科や腫瘍科などの診療科目を、多く標ぼうしていることも特徴ですね。 昨今は、犬や猫だけでなく、ウサギやハムスター、ハリネズミ、モモンガ、トカゲなどエキゾチックアニマルを飼育している人も増えています。これらエキゾチックアニマルの診療ができる体制も整えています。 |
スタッフ同士支え合い、一生働き続けられる職場
―一緒に働くスタッフはどのようになってほしいとお考えですか?そして先生ご自身は、今後どうありたいと思っていますか?
D.P.Cには現在、総勢70名のスタッフが働いています。
今後、さらにスタッフが増えても、スタッフ同士がみんなで支え合える病院にしていきたいと考えています。
そして志を共にできるスタッフが、一生働き続けられる病院を目指したいですね。
自分自身としては、常に新しいことにチャレンジしながら成長していきたいと思っています。
求める人材は、「飼い主さんとペットを第一に考えられる人」
―D.P.C.にはどんな人に働きに来て欲しいですか?先生の求める人物像を教えてください。 飼い主さんとペットのことを、第一に考えてくれる人です。そして一緒に働くスタッフのことも考えられる人ですね。 そうなると、どうしても「自分」が主語になってしまうんです。自分が主語になっていると、すぐに辞めてしまう傾向があり、同じところで長く働くことが困難だと感じています。 世のため人のために働く公共心がある人は、長く働いてくれます。獣医としての軸、社会人としての軸を持っている人に来て欲しいと願っています。 |
青島大吾院長 |
2000年 愛知県立岡崎高等学校 卒業 2006年 東京大学農学部獣医学専修 卒業 2008年 東京大学動物医療センター研修医(外科学)修了 ライオン動物病院(愛知県岡崎市)勤務 兼 日本動物高度医療センター(神奈川県川崎市) 放射線科所属 2010年 ダイゴペットクリニック開院<免許> 獣医師免許 第一種放射線取扱主任者 愛知県獣医師会 所属 Eye Vet Tokyo Basic 修了 AO VET Small Animal Principles Course 修了 AO VET Small Animal Master Course 修了 |