働く人々About us

院長インタビュー

助けられなかった小さな命

―青島先生が獣医師になりたいと決意したきっかけは、中学生時代にあったそうですね。

中学生のとき、通学路にカラスのひなが3羽捨てられていたんです。見捨てることができず、保護してなんとか育てようと思いました。しかし、正しい育て方が中学生の私にはわからなかったんです。
残念ながらカラスのひなは3羽とも死んでしまいました。自分の無力さを感じると同時に、将来は自分の力で動物の命を助けたいと強く思いました。それで獣医師になろうと決意しました。

「獣医になりたい」親に止められるくらいひたすら勉強

―岡崎高校に入学後はあまりにも勉強しすぎて、なんと親御さんからストップがかかるくらいだったそうですね。

はい、とにかく獣医になりたくて猛勉強しましたね。唯一の楽しみは、獣医学部のパンフレットやニュースを見ることでした。
「そんなに勉強すると倒れてしまうから止めろ」と言われました。一般的に、子どもは親に「勉強しろ」と言われると思いますが、うちは逆ですね。

―そんな猛勉強の成果があって、東京大学理科Ⅱ類に合格されました。

おかげさまで、現役合格できました。大学に入ってからも、もちろん勉強しました。東京大学の場合、2年生までは教養学部に所属します。そのあと「進振」と呼ばれる進路選択で学部を決めるシステムなんです。獣医学部は大変な人気で、しかも「進振」は成績に左右されますから本当に必死でしたよ。
それでも大学時代はサッカーに没頭しましたし、海外旅行も行きましたね。無事に卒業して国家試験に合格しました。卒業後は東京大学動物医療センターの外科で2年間研修医をしました。

 

できないことだらけの研修時代

―ついに獣医師としての第一歩が始まったのですね。意外なのですが、研修時代は先輩方に怒られることが多かったと聞いています。

そうなんです。実は研修医の自分は、基本的な採血や処置でさえも同級生より満足にできず、先輩や看護師から「そんなこともできないの」と毎日のように怒られる日々でした。

―しかし皆さんただ感情で怒っていたわけではなかったと。

はい。こうして自分が診療現場に立ち続けられているのは、地道に一歩一歩努力を続けてきたこともありますが、周りの方達がこんな私に付き合って辛抱してくれていた、温かく成長を待ってくれていたからだと思っています。
ですから、今度は私が恩返しをしたいですね。スタッフができないことがあっても、前向きに働ける職場を作っていきたいと思っています。

 

退職後2週間で開業。休みなしで診察する日々

―東京大学動物医療センターで2年間、そして地元とJARMeC で2年間。合計4年の研修を経て、ついに201年4月ご自分の病院を豊田市上野町に開院したのですね。しかし開院直後はいろいろとご苦労も多かったと聞いています。

はい、退職してたった2週間で開院準備をしたのでとにかく忙しかったです。実は開院した当初は、患者さんが全く来ませんでした。お金もないのでスタッフもいません。ですからたとえ休診日でも診察しました。
電話が鳴ったらたとえ夜中でも取ると決めていたので、ひたすら電話を取って診察に明け暮れていました。夜中に自宅のインターホンが鳴って、急患を診察することもありましたね。

依頼があれば、三重県伊勢市まで往診に出かけることもあったんですよ。休診日でも夜中でも、1人で急患の電話を取り続けて診察していたので、休みの日に仕事以外で豊田市外にでたのは、開院後数年経ってからです。

―そんな多忙な日々が続いていたある日、ふと病院の待合室を見て驚かれたとか。

はい、待合室飼い主さんとペットたちでいっぱいだったんです。気づけばスタッフも増えていました。無我夢中でやっていたから、ありがたかったですね。

 

3院で地域に根差した基幹病院に

―今後は、D.P.C.をどのような病院にしていきたいとお考えですか?今現在の取り組みと、将来の展望や目標をお聞かせください。

現在、D.P.C.の3院とも年中無休で診察し、連携し合って地域のペット治療を行っています。岡崎大和院と日進オハナ院の2院は、プライマリケアとしての一次診療を担う病院です。小さな病気を診察したり、ペットの健康相談に乗ったりしています。

両院とも知識・経験豊かなスタッフが揃っていますが、特殊な機器や、診断治療が必要な難易度の高い症例は、本院である豊田中央医療センターに紹介させていただくこともあります。
豊田中央医療センターは、一次診療から高度医療まで行う病院です。
高い専門性と、幅広い医療を提供しており、夜間も患者を受けて付けています。

さらに、トリミングサロンとペットホテルを併設していますので、普段の生活での体調管理にも貢献できる体制をより強化しています。
一番大切なことは、常に飼い主さんの笑顔とペットの健康のため、100年続く病院を目指すことです。そして現状に満足することなく、常に挑戦し続け、常に変わり続ける病院でありたいと思っています。
地域の皆様のペットライフを総合的に支える病院を目指していきたいですね。 D.P.Cの3院と、トリミングサロン、ペットホテルが連携し、今まで以上に地域に根差した動物病院の役割を果たすことが大きな目標です。

 

基幹病院としての動物病院

―特に豊田中央医療センターは、地域の基幹病院としての役目があると聞きました。具体的にどのようなことを行っていますか?

難しい症例に対し、専門的で高度な医療が提供できる体制や設備を整えています。エキゾチックアニマル診療科や腫瘍科などの診療科目を、多く標ぼうしていることも特徴ですね。

昨今は、犬や猫だけでなく、ウサギやハムスター、ハリネズミ、モモンガ、トカゲなどエキゾチックアニマルを飼育している人も増えています。これらエキゾチックアニマルの診療ができる体制も整えています。
またペットの長寿に伴って、腫瘍が増えていると感じています。腫瘍に対してもレベルの高い治療が提供できるように、CTや放射線照射など医療設備も積極的に導入しています。外部から講師を招き、人材育成にも力を入れています。

 

スタッフ同士支え合い、一生働き続けられる職場

―一緒に働くスタッフはどのようになってほしいとお考えですか?そして先生ご自身は、今後どうありたいと思っていますか?

D.P.Cには現在、総勢70名のスタッフが働いています。
今後、さらにスタッフが増えても、スタッフ同士がみんなで支え合える病院にしていきたいと考えています。
そして志を共にできるスタッフが、一生働き続けられる病院を目指したいですね。
自分自身としては、常に新しいことにチャレンジしながら成長していきたいと思っています。

 

求める人材は、「飼い主さんとペットを第一に考えられる人」

―D.P.C.にはどんな人に働きに来て欲しいですか?先生の求める人物像を教えてください。

飼い主さんとペットのことを、第一に考えてくれる人です。そして一緒に働くスタッフのことも考えられる人ですね。
動物病院での就職を、自分自身の勉強やステップアップとして捉える人も中にはいるかもしれません。

そうなると、どうしても「自分」が主語になってしまうんです。自分が主語になっていると、すぐに辞めてしまう傾向があり、同じところで長く働くことが困難だと感じています。
もちろん勉強もステップアップも大変重要です。しかし動物病院は、飼い主さんとペットのためにあります。そしてスタッフと協力し合うことで、よりよい獣医療が提供できます。

世のため人のために働く公共心がある人は、長く働いてくれます。獣医としての軸、社会人としての軸を持っている人に来て欲しいと願っています。
ただ新卒の方などは、なかなかわかりにくいこともあるかもしれません。当院では、症例や診察などの勉強をする機会はもちろん、飼い主さんとペット、スタッフのために働く意識が持てる環境を整えているので、安心していただきたいと思います。

 

青島大吾院長
2000年 愛知県立岡崎高等学校 卒業
2006年 東京大学農学部獣医学専修 卒業
2008年 東京大学動物医療センター研修医(外科学)修了
ライオン動物病院(愛知県岡崎市)勤務
兼 日本動物高度医療センター(神奈川県川崎市) 放射線科所属
2010年 ダイゴペットクリニック開院<免許>
獣医師免許
第一種放射線取扱主任者
愛知県獣医師会 所属
Eye Vet Tokyo Basic 修了
AO VET Small Animal Principles Course 修了
AO VET Small Animal Master Course 修了

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