助けられなかった小さな命
―青島先生が獣医師になりたいと決意したきっかけは、中学生時代にあったそうですね。
中学生のとき、通学路にカラスのひなが3羽捨てられていたんです。見捨てることができず、保護してなんとか育てようと思いました。しかし、正しい育て方が中学生の私にはわからなかったんです。
残念ながらカラスのひなは3羽とも死んでしまいました。自分の無力さを感じると同時に、将来は自分の力で動物の命を助けたいと強く思いました。それで獣医師になろうと決意しました。
「獣医になりたい」親に止められるくらいひたすら勉強
―岡崎高校に入学後はあまりにも勉強しすぎて、なんと親御さんからストップがかかるくらいだったそうですね。
はい、とにかく獣医になりたくて猛勉強しましたね。唯一の楽しみは、獣医学部のパンフレットやニュースを見ることでした。
「そんなに勉強すると倒れてしまうから止めろ」と言われました。一般的に、子どもは親に「勉強しろ」と言われると思いますが、うちは逆ですね。
―そんな猛勉強の成果があって、東京大学理科Ⅱ類に合格されました。
おかげさまで、現役合格できました。大学に入ってからも、もちろん勉強しました。東京大学の場合、2年生までは教養学部に所属します。そのあと「進振」と呼ばれる進路選択で学部を決めるシステムなんです。獣医学部は大変な人気で、しかも「進振」は成績に左右されますから本当に必死でしたよ。
それでも大学時代はサッカーに没頭しましたし、海外旅行も行きましたね。無事に卒業して国家試験に合格しました。卒業後は東京大学動物医療センターの外科で2年間研修医をしました。